卒業まで100日、…君を好きになった。


買いに来るのは女性ばかりだから、かっこいい一ノ瀬くんが立っているとそれだけで吸い寄せられていくのが見ていてわかるもん。


黒を基調としたパリッとした制服は、細身の平くんにとてもよく似合っていて、恋する女のひいき目なしでかっこいい。

証拠にお客さまだけでなく、他の学生アルバイトの女のコたちからも平くんは大人気だ。


よくお昼に誘われているし、連絡先の交換もせがまれていつも彼は困っていた。

一緒にいるわとたしも睨まれるし、ふたりでぐったりだ。


それで余計にふたりでいることが増えたから、わたしは役得で幸せなんだけど……木内さんのことがあって素直に喜べない自分がいた。



「春川さん! このブランドのSの箱、なくなりそうだから30箱持ってきて!」

「はい! 行きます!」