受験が終わったら
また付き合うの
木内さんの勝ち誇ったようなセリフに、足元に突然穴を開けられた気がした。
暗くて深い、わたしを丸のみしてどこまでも突き落とす、大きな穴だ。
「別にわたしたち、嫌い合って別れたんじゃないし。受験さえ終わればまた上手くやっていけるから」
「平くんは……」
「篤がそうしようって言ってくれたの。東大受けないのはいまも納得いってないけど、まあ篤ならどこに行ってもトップになれるし関係ないかなって」
随分な上から目線の言葉に、もう怒る気にもなれなかった。
平くんが言っていたように、確かに木内さんは平くんの学力を重要視しているらしい。
平くんが好きなのか、平くんの頭が好きなのか。


