くっきりとした大きな瞳が、じっとあたしの内面を見透かすように見つめてくる。
わたしは冷や汗を流しながら周囲をうかがったけど、平くんはそばにはいないようだった。
「篤なら帰ったけど?」
「あ……そう、ですか」
「ってゆーか、春川さんだっけ? 春川さんて、アツシの何?」
威圧的に睨まれて、首をすくめる。
「何、と言いますと」
「ただのクラスメイト?」
ただの、の部分をいやに強調された。
同盟のことは秘密だから、そうなるとわたしは木内さんの言う通り、平くんとは“ただの”クラスメイトでしかない。
なんだか無性に悔しい気持ちになったけど、仕方なくうなずいた。
「ふーん。でも春川さんて、篤のこと好きでしょ?」


