卒業まで100日、…君を好きになった。


「冗談じゃなかったら、どうする?」

「え。どうするって」

「あいつが本気だったら、春川さんはどうするの?」



長めの前髪の奥。

彼の黒い瞳はなぜか、不安げに揺らいでいるように見えた。

こっちまで不安になってくるようなその表情に、どきりとする。


まるで置いていかれる子どもみたいな。

思わず大丈夫だよって、抱きしめたくなるような顔だった。



「どうって、言われてもわたし」

「春川さんは前、あいつが好きだったんだよね」

「う……っ」



ぐっさー。

と、胸に思い切り太いナイフが突き刺さった。


好きな人に言われると、かなりキツい言葉だった。



「あいつのどういうとこが良かったの?」