卒業まで100日、…君を好きになった。


「聡。お前、志保はどうした」



平くんの声にハッとした。


そうだ。

確か木内さんは平くんと別れてから、弟の聡くんの方に行ったって……。



「志保? ……ああ、木内さん? なんで彼女が出てくるのかわからないんだけど」

「仲良くしてるんだろ」


兄に言われて、聡くんは首を傾げながらも軽くうなずいた。


「まあ、クラスメイトだし、同じ予備校だからね。でもそれだけだよ。それに彼女が好きなのは篤だろ?」

「は?」



平くんはいぶかしげな声を出したけど、わたしはどこか納得していた。


やっぱり、木内さんは平くんのことがまだ好きなんだ。

前に学校の玄関で会った時、そんな感じがしたもん。