卒業まで100日、…君を好きになった。


「聡。お前、いい加減にしろ」



隣りの平くんが、唸るような低い声を出した。

いつも無表情な彼の眉間に、くっきりと深いシワが寄っている。


平くんが怒ってることにもびっくりして、わたしはもう何も言えなくなってしまった。



「何が? 俺は別にふざけてなんてないよ?」

「どこがだよ」

「本当だって。俺春川さんのこと、1年の頃気になってたし」



うそだ!!

と叫びたかったけど、驚きの連続で声が引っこんでしまっていた。



「なんか、よく目が合うなって思ったのが最初」



今日いちばん驚いたけど、衝撃すぎてやっぱり声が出てこない。


気付いてたんだ!

わたしが彼を目で追っていたことに、彼は気付いてた。

気付かれていた。