平くんがすまなそうに謝ってくるから、あわてて首をふった。
「そんな! 誘ってもらえてうれしかったよ。美味しい紅茶もいただいたし、落ち着けたから、仮免もなんとかなりそう!」
「うん。春川さんなら落ち着いてやれば大丈夫だよ」
「ねえ。ふたり、本当に付き合ってないの?」
いつの間にか聡くんがキッチンから戻ってきていた。
手にはお水の入ったコップと、チョコレートの箱。
甘いもの、好きなのかな。
平くんも食べるし、双子だし、そうなのかも。
「……付き合ってないよ」
「睨むなよ。すごく仲良く見えるから聞いただけだろ?」
聡くんはじっと、何か見透かそうとするようにわたしを見てくる。
穴があくんじゃないかというくらい見つめられて、背中に変な汗が流れた。


