卒業まで100日、…君を好きになった。


平くんがすまなそうに謝ってくるから、あわてて首をふった。



「そんな! 誘ってもらえてうれしかったよ。美味しい紅茶もいただいたし、落ち着けたから、仮免もなんとかなりそう!」

「うん。春川さんなら落ち着いてやれば大丈夫だよ」


「ねえ。ふたり、本当に付き合ってないの?」



いつの間にか聡くんがキッチンから戻ってきていた。

手にはお水の入ったコップと、チョコレートの箱。


甘いもの、好きなのかな。

平くんも食べるし、双子だし、そうなのかも。



「……付き合ってないよ」

「睨むなよ。すごく仲良く見えるから聞いただけだろ?」



聡くんはじっと、何か見透かそうとするようにわたしを見てくる。

穴があくんじゃないかというくらい見つめられて、背中に変な汗が流れた。