リビングの入り口に、平くんとそっくりな顔で、完璧な笑顔を浮かべる聡くんがいた。
平くんの話を聞いたあとのせいか、確かに彼の笑顔は完璧すぎて、ちょっとうさんくさく見えてきてしまう。
「聡。いたのか」
「いたよ。午前で帰ってきたんだ。明後日センターだし、家でゆっくり集中してやろうと思ってね。そしたら篤が女のコ連れこんでるからびっくりした」
「おい。そういう言い方はやめろ」
「じゃあどういう言い方ならいいの?」
柔らかく笑いながら首を傾げる聡くん。
うん。平くんが言ってた通りだ。ちょっと恐い。
1年で同じクラスだった時は、恐いなんて感じたことがなかったから、同時に不思議な感じがした。
私の知らない平聡くんを見ているみたい。


