平くんの言葉になるほどとうなずいた。
そんな風に考えたことはなかったけど、言われてはじめて気づく。
平くんは無表情が常でわかりにくいけど、弟の聡くんは笑顔で固定されていてわかりにくいのか。
顔以外はあまり似てない双子なのかなと思ってたけど、実はすごくそっくりなのかもしれない。
「余裕っぽくも見えるけど、笑顔でいきなりイヤミ言ってきたりもするし」
「そういえば、そんなこと前に言ってたね。想像できないけど、ほんとならちょっと恐いかも?」
「うん。あいつの笑顔はうさんくさいから注意した方がいいよ」
「誰がうさんくさいって?」
突然楽しげな声が乱入してきて、わたしと平くんは同時に振り返った。


