「こんなおしゃれなおうちはじめて!」
「ああ。母親がインテリアコーディネーターやってるから、こだわりが強いんだよね」
「へえ~!」
「って言っても、どういう仕事か俺は全然わかってないけどね」
「あはは。わたしもわからないけど、おしゃれにお部屋をコーディネートするんでしょ? かっこいいなあ」
うっとりするわたしに、平くんは軽く肩をすくめた。
「家事はズボラな人だよ」
「働くお母さんは大変だもんね」
「まあね。聡も受験だし、最近は俺が主婦みたいになってるよ」
平くんが主婦?
クリスマスの準備で不安げにキッチンに立っていた、あの天野くんが?


