震えはいつの間にかおさまっていた。
平くんの手が動揺も不安もぜんぶ吸い取ってくれたみたいに。
「聞けそう?」
「うん。平くんがはげましてくれたから、大丈夫な気がしてきた!」
一気に気分が沈む時もあれば、瞬く間に急上昇することもある。
本当に恋というものはどこまでも厄介だ。
全然自分をコントロールできなくなってしまうんだから。
いつか、恋に依存してしまいそうでこわい。
平くんに頼らないと生きられなくなりそうでこわかった。
「そう。なんかあったら、何時でもいいから連絡して」
「……うん。本当にありがとう」
「まだ何もしてないけどね」


