固く乾いた皮膚の大きな手。

指の長い平くんの手は、あたたかかった。



「いま、拓が……」

「うん」

「でも、あんなことする子じゃ……」



自分で言った瞬間、あ、これニュースとかでよく聞くセリフだ、と思った。

犯罪をおかした人の親や親せき、知人がインタビューで、


あんなことをする子じゃない。

普通の子だ、って言うやつ。


見まちがいだ、勘ちがいだって思うのに、自信が持てない。



「春川さん。落ち着いて」

「平くん……どうしよう」

「俺たちの気のせいかもしれない。わからないよ」

「わ、わたし、聞いてみる。帰って、拓に」

「……できる?」