「俺は別に気にしないのに」
「だめだめっ。わたしは見付からないように問題集とってくるから、平くんは好きに見ててね」
平くんから離れて、棚に隠れながらコソコソ移動する。
自動車免許の問題集はすぐに見付かった。
けっこうたくさん種類がある。
どれが良いのかわからなかったから、とりあえずパラパラ中を確認して、イラストがいちばん多いものを買うことにした。
学校の教科書も、写真やイラストがないとわたしはすぐに見飽きてしまう。
みんなそういうものだと思ってたのに、前に奈々たちにそう言ったら笑われてしまった。
さて戻ろうと平くんを探す。
背の高い彼の居場所は見つけやすい。
平くんは雑誌のコーナーにいた。
かっこいいうえにおしゃれな人だから、ファッション雑誌でも読んでるのかな。


