目指すは資格・免許の棚!
と意気込んで店内を突き進むと、視界の端に見覚えのある髪型がうつりこんだ。
わたしの髪によく似た、ふわっとした猫っ毛。
弟の拓だ。
服装も見たことあるやつだし、間違いない。
今日は冬期講習に行っているはずだけど、終わったんだろうか。
「春川さん? どうしたの」
「し! ……うちの弟がいる」
「え? どこ?」
「少年漫画のとこ」
「もしかして猫っ毛の? 似てるね」
興味しんしんな平くんを引っ張って、拓から距離をとる。
拓はわたしに気付いてないみたいでほっとした。
「声かけないの?」
「うん。拓も話しかけられたくないだろうし。それにわたしといたら平くんまで突っかかられるかもしれない」


