将来の見通しが立っていない奴らの方が多いんだと、平くんは言う。
だからとにかく目の前の受験に没頭する。
受験の先に何があるのかもわからないまま、みんな必死になっているんだって。
「そういう奴らからすると、春川さんが眩しくて、羨ましくてしょうがないんだろうね」
もしかして。
葉子ちゃんのことを言っているんだろうか。
葉子ちゃんがわたしにつっかかる理由が、そういう所にあるんじゃないかって。
だからわたしが気に病むことじゃないんだって。
わたしをなぐさめてくれている……?
「拓も……。弟も、そうだったりするのかなぁ」
そういえば、拓が将来何になりたいかとか、最近とんと聞いてない。


