「そうだけど! でも本当にひどいの! わたしきっと、永遠に自学通うことになるんだ~っ」



自分がどんくさいことはわかっていた。

でもまさかあそこまでとは……。


車を運転できると大人!って感じでかっこいい。

なんて思っていたちょっと前の自分に教えてあげたい。


君にはムリだって。

一生かっこいい大人にはなれないって。



「平くんはソツなくこなしたんでしょ」

「そんなことないけど。なんでそんな恨めし気なの?」

「平くん、器用そうだもんね。頭もいいし、器用だし、かっこいいし、ずるい。神様は不公平だ……」

「……元気出しなよ。マックおごるから」



おまけに優しい。

この優しさが自分だけに特別に与えられてるんじゃないかって、何度も勘ちがいしそうになるくらい、彼は優しい。