いまだかつて、こんなに自分のダメさを痛感したことはない。


本当にダメだ。

ダメダメだ。



「わたしなんか一生免許とれるわけない……!」



今日技能で車に乗った。

最低だった。


初回でもないのに最初から最後までパニックで、頭が真っ白で、助手席の教官も顔を青くしてたくらいだ。



「何かの間違いで免許とれちゃった日には、世の皆さまの迷惑になる……」

「そんな大げさな」



横で平くんがあきれたように笑うので、ちょっとムッとして唇をとがらせる。


笑いごとじゃないのに。

本気でそう思うのに。



「平くんもわたしの隣りに乗ってみればわかるよ!」

「いや、俺も練習中だし。だいたい、世の皆さまの迷惑にならないように、いま自学に通ってるんじゃないの」