この日の息抜きで、これからのみんなの受験勉強が上手くいけばいいなと願った。

わたしにできることはそれくらいだから、心から、強く。



「メリークリスマス、春川さん」

「メリークリスマス、平くん」



カラオケからの帰り。

夜道を踊るように歩くみんなの後ろ。


わたしと平くんは並んで、今日という日を祝福し合った。

卒業同盟のミッション、完了。大成功って。



学校が終わっても寂しくないのは、隣りにいる彼のおかげ。

冬休みもそれ以降も、彼と過ごす楽しい時間が待っている。

だからいまにもスキップしそうなくらい、足取りは軽い。



「あ」



白く綺麗な彼の横顔が、夜空をあおぐ。

つられて上を向くと、ひらりと舞い降りるものが、ひとつ、またひとつと増えてくる。


上を向いたまま絡んだ視線。

平くんが珍しく笑って、わたしもうれしくなって笑っていた。