もうすぐ昼休みも終わってしまう。
また平くんをサボらせるようなことになったらいけない。
「春川さん」
騒がしい廊下に降り立ったところで、平くんに呼ばれる。
立ち止まって振り返り彼を見上げると、彼はすかさずフードをかぶった。
「楽しいことしようって約束したけど……無理はしなくていいんだよ」
びっくりして。
本当にびっくりして、平くんの顔をまじまじと見上げた。
フードと長めの前髪で隠れた顔は、ほんのり赤みをおびているように見える。
「あ……りが、とう」
「ん」
「でも大丈夫。わたし、楽しいよ」
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