卒業まで100日、…君を好きになった。


わたしはただ……。

ただの自己満足の為に、葉子ちゃんに話しかけただけだ。


ああ、そっか。

拓や葉子ちゃんのイライラの理由が、少しわかった気がした。



「わたし、バカだからさ」

「バカじゃないよ」

「ううん。バカだよ。自分がいちばんわかってる」



笑って、冷えてきた膝を叩いて立ち上がる。

手の震えがまだ少し残っていたから、それを隠すのに後ろ手を組みながら階段を下りる。



「ごめんね、平くん。心配して来てくれたの?」

「泣いてるんじゃないかと思って」

「泣いてないよ」

「泣いてたじゃん」



呆れる平くんの横を通り過ぎて、教室のある階に向かう。