「自分の限界は…自分で決められる」

紗奈はあの人の言葉が深く染みたらしい。

昔話をしてから紗奈は何かを考えている。
きっと、あの頃の俺と同じ感じだろう。

「っ!?」

何かを考えていると思えば何かを決心
したかの様な凛とした眼差しに変わった。


「その時の貴方の気持ちが分かる気がします」
「ふ。……昔話はここまでだが?」

……正直…少し驚いた。
何故かと言うと…表情や凛とした姿が
……あろう事か…あの人と被ったからーー
父親は死んだと言ったか…少し調べるか。
もしかしたら…形見になるかもしれない。
確かあの人は子供が居たはずだ…双子の。
俺の血が騒ぎ始めた。
こんな事が…あるのか…奇跡というものを
信じてみようと…思わされた飯島だった。