そして男は紗奈を車に乗せ目的地へ向かう

着いたのは目を疑う程デカい敷地内。
門が開き車で入ると真ん中には
綺麗な噴水が置いてあり 周りは花だらけ。
花園と言っても過言ではない。
そこを通り抜け駐車場に車を止めて降りる
紗奈も空気を読み、降りた。
少し歩くと大きな建物へ向かって歩き出し
紗奈の方を見ながら

「大丈夫。取って食いはしないから。はは」

お気楽な感じで笑いながら伝えるが

「……ふーん」

紗奈は一言で返し、話は終了し男笑う

少し歩いたら着き建物に入ると人が出てきた

「ボス……お疲れ様です。」

すごく綺麗で美人なお姉さんが頭を下げ

「頭をあげなさいったら…」

無理やり頭をあげさせる、男の人。

「はあ……ボス…そちらの嬢ちゃんは?」

紗奈の存在に気づき 気にかけるお姉さん

「あ、説明するよ、僕の娘。」
「むっ、、ボス…姐さん居ますから伝えます」
「ちょっと待ちなさい!」

冗談を言った後お姉さんはムシを見た様な
眼で男の人を見て、どこかに行こうとしたが
引き止められ戻ってきた。

「冗談だって!危ないなー、有栖川さんは」
「……本当にそちらは?」
「……」

男は、じーと紗奈を見た後お姉さんを見て

「全く知らないよ、ははは」

笑いながら伝えるとお姉さんは溜息を吐き

「だからと言ってもここは刺激が強すぎます」

この場所 に 連れてきた事に怒り始めるが

「あ、それなら大丈夫。この子見たし直で」
「なっっっ」

男の人の言葉を聞き固まる お姉さん

「見ても何一つ表情変わらなかったんだよ」
「…え?…高校生なの……にです…か?」

信じられないというお姉さんを他所に
男の人はようやく紗奈に話しかけ

「ちょっとこっちへ来て」

紗奈は、無言の無表情で呼ばれる方へ向かう
そんな紗奈の事を気になるお姉さん

「そこ座って」

ひとつの部屋に入る。見た目は社長室
デスクがあり、その前にはテーブルひとつ
ソファが向かい合わせに2つ
そして、ソファに腰をかける紗奈
男の人は向かい側のソファに腰をかける
「君って……人間?」
「息した人間です」
「生気が君から感じられない。

男が何を言おうと無心な 紗奈

「とりあえず自己紹介からいこうか」
「…紅月…紗奈」
「紅月…紅月…聞き覚えな〜」
「…ないでしょ…死んでるし」

放った言葉により男の眉間に皺が寄る
何かを考えるが止めて話を続ける

「私の名前は 飯島翔 立派な殺し屋だ」

殺し屋 という言葉に微かに反応する紗奈
その瞬間何故か飯島翔と名乗る男が笑う

「……」