「知ってます…蓮君の事なら…誰よりも」
下を向いて呟く美少女
「え?蓮の…知り合いだったの?」
「知らねえ…誰だお前。」
美少女が呟く言葉に質問した麻耶だが
綺麗に描き消した、蓮。

「私っ…愛那!月野愛那だよ!!!」
「…まな…つきの…わりぃ。分からねえ」
「こうしたら思い出すよ!!」

(( チュッ ))

「「「「は?!」」」」
「え…。」

愛那が蓮にキスをした。
それを見た皆が慌てだし紗奈は…。

「…やめろ。」
ドガッ
「キャッ」
「二度と触れるな、分かったか?
俺に触れていいのは紗奈だけだ」

状況を把握した蓮は迷いなく愛那の事を
突き飛ばし、忠告までもした。

「蓮…くん…。」

愛那が蓮の名前を呼ぶと紗奈は暗くなり
蓮が悟り愛那の方を向き眉間に皺を寄せ

「お前ごときが俺を呼び捨てにするな」
「蓮…」
「行くぞ…紗奈」

そう吐き捨て…蓮は紗奈の後ろ首に手を回し
紗奈は自分を大切にしてくれている事に
喜び、頬を赤く染めながら共に歩いて行く

「おい、蓮!!!」

晃が呼ぶが蓮は振り向かずに行く

「蓮がああ言っているので、そういう事で」

魁斗はそう告げ、部屋を出て行く

「ここの姫は紗奈以外認めねーから」

機嫌悪く魁斗について行く

「蓮が言う事は絶対だからな!晃諦めろ」

晃の肩を叩き、じゃーなと言い部屋を出る

「全くあいつらは…悪い愛那ちゃん」
「…うそでしょ…」

晃が謝ると愛那は小さな声で呟く

「ん?なんか言ったか?」
「…ううん…私が…悪かったの…」

愛那は突然泣き始め晃が慌て出す

「どうしたんだよ!泣くなよ…」
「私が…来るべき場所じゃ…なかったの…」

泣きながら言う愛那を気にかけはじめるが
これも全て愛那のひとつの考えだったのは
だいぶ先の話になる。

「悪いな…蓮が言う事は絶対なんだ」
「あか…紅月さんの言う通りだった…」

意味の分からない話に晃が気にかける

「紗奈?…でもお前ら初めてだろ?」
「あ、でも…」
「言え。俺らの姫の事なら聞く義務がある」
「実は私達学校が一緒で…紅月さんとは
会った事あって言われていたの…」
「何て?」
「雷龍は私の物だから邪魔しないでね
もし邪魔でもしたら…知らないって…」

愛那は次から次へと言葉を並べ話し出すが
晃は、凄く眉間に皺を寄せ始める。

「…雷龍が…紗奈の…物だって?」

愛那の一言に晃は怒りを持ち始めるが…

「あ、あ、紅月さんには言わ…ない…で…」

泣きながら晃の服の袖を持つ

「……」

真剣な表情で考え事をしている晃に対し
愛那は怯え始め、泣きながら震え出す

「落ち着いて愛那ちゃん。俺が守るから」
「……ありがとう…ありがとう…」

震える体で必死に泣き喜ぶ愛那。
晃は何かをずっと考えながら愛那を見ている