「っつ」 葛西が片手で、こめかみを押さえるように、 うつむいた。 「大丈夫ですか。 熱かったです?」 「いや。ちょっと頭痛がするだけ」 さとみが何か思い出したように、 キッチンへ急ぐ チン。 何やってるんだ。 「熱っつ」 そう言いながら、さとみが走って戻ってくる。 手にはタオル? ソファの後ろに回り込む、さとみ。 ちょうど葛西の後ろにくると 首を倒せと言う。 「なんだ?」 何するつもりだ。 「いいから」