社長が立ち上がった。




「お前さあ」




背中を向けたまま、社長が言いかける




「お前さ




『私なんか』って、言うのやめろ。」





「卑下してあきらめるの…



楽か?」




その言葉は、質問というより、





自分に問いかけるような口ぶりで。




「違うよな」




振り向いた社長がいう。





「苦しいだけだろ」





「自分で自分の頭押さえつけるの、




やめろよ」







「おやすみ」