「何で、何も言わない」 言いかけたようで、黙ってしまうさとみ 葛西が、かもし出す冷淡さに 室内の空気が、急に重くなったよう。 葛西が、突然 さとみの両手をもって、 ベッドに押し倒した。 シーツがはだけて、 さとみの肌があらわになる。 泣きそうな顔のさとみに、葛西が言う。 「くれるんなら、もらうけど」 さとみの華奢な手首が、 葛西の手の中で震えている。