さとみは、服を着ていない心もとなさと、
葛西の冷たい目に言葉が出ない。
葛西はなぜか、
ショックを受けているらしい
自分に戸惑っていた。
葛西の周りにいる女たちは、
姿かたちが違っても、みんな同じだ。
物欲的で、羞恥心が薄く。
綺麗に飾り立てた空っぽの身体で、
葛西の金と権力にとびつく。
愚かで
かわいい女たち。
いつのまに葛西の中で
さとみは、違う位置付けに
なっていたのか
ちょっと触れるだけで、
真っ赤になって
純真そうに見えるからか。
いつも葛西はいないのに、
手料理を作ってみたり。
しかもそれをタッパーに入れて、
冷蔵庫で保存したりしている
素朴なところか。
無下にされているのに、
俺の心配をしたりする優しいところか。
…
何度、自分に押問答を繰り返すんだ。
自分に腹が立つ。



