さとみの無防備な寝顔。
口が少しだけ、開いて。
その柔らかそうな口から
規則正しい呼吸が聞こえる。
自分らしくない。
焦燥感に、変な気持ちだ。
この子の寝顔から
こんなに目がはなせないなんて。
「…ん」
さとみがうっすらと目を開けた。
寝ぼけまなこで
瞬きを繰り返し、
葛西に目をとめるさとみ。
動揺が目にあらわれだして、
慌てて起き上がる。
けれど、自分の状態に気づいて、
奪うように、布団を引っ張り上げた。
むき出しの肩や、胸元の白い肌が
ピンクに染まる。
「ここで、何している。
何のつもりだ」
葛西は思わず、責めるように口にした。



