「社長?」 社長の腕の中、下を向いたまま さとみが言う。 「次社長って呼んだら、 またキスするぞ」 ビクッ。 さとみの身体が、反応した。 「何だよ?」 社長の声が上から降ってくる。 「あの…。あの。」 えーっと。どうしよう、 何て言ったらいいの。 「ん?」 「あ、の、 や、優しくしてくれますよね?」 きゃー。恥ずかしい。言ってしまった。 でも、でも、何か勘違いとかされたくなかったし。 不安だし。 いやー。恥ずかしい。