嘘つきシンデレラ






「もしもし?」




「おーさとみちゃん。久しぶりー」




駿さんの明るい声。




「いやー良かったよ。さとみちゃんが




戻ってきてくれて




兄貴。すんごい喜んでるだろ?」



 
「えっと、そう…ですかね」




ちょっと答えづらい。




「そうだよ!




この数ヶ月、




すごい頑張ってたよ。兄貴。




こんな短期間で、新事業を軌道に乗せてみせた。





俺にも協力してくれって




頭下げにきたんだよ。ロスまで。





ほんとは、すぐにでも




さとみちゃんを、迎えに行きたかったんだろうけど」




さとみは社長を見る。




社長は肘をついて、反対の窓を見つめてる。




「ほんとありがとね。




さとみちゃん。




兄貴のこと、よろしくね。」




「駿さん…




私こそ、




ありがとうございます。」





胸がいっぱいで