轟くエンジンの音。




プライベートジェットが島を飛び立った。




木目調に統一された機内。




社長は、上質なレザーのシートに座り





電話で、仕事の話してる。





「ああ、そうだ。




首長国の会社との契約がとれた。




うん、数日前だ。




ドバイで不動産・建設業界に参入する。




もういしずえはできた。




複合施設の建設はもう始めている。




準備はできてたからな。




契約が取れたと同時にスタートさせた。




はは、当たり前だろ。取るさ。




ああ、忙しくなるぞ。




これからドバイで世界市場を相手に





大規模な事業を展開していく。





それの初期段階として





松枝をうちの子会社として





不動産部門にすえる。




もう、決めたことだ。




できるさ。





おれが成功させる」




聞き耳を立てていたさとみ。




すごい。




松枝商事さん




ちゃんと救う手立て考えてたんだ!




やっぱり、社長はすごい…。





正直、わたしには話が大きすぎて




ドバイ?




理解が…



イメージが…




想像すら難しいけど。




社長はすごいな…





なんだ。




この数ヶ月もバリバリ仕事してたんだな…。




はっ。




何考えてんの。私っては




厚かましい。




ちょっと思ってしまった。


 

わたしと離れている間も




全然、仕事頑張れてたんだな。




なんて




何、調子に乗ってんの。




社長は忙しくて




社員を、関係会社の方達を




背負ってるんだもん。




当たり前じゃん。