どんなに傷ついていても




どんなに、忘れたフリしていても




ほんとは、いつも




心の中に




社長を思う




やまない好きがあって




奇跡のようなこの瞬間、




今まで知らなかった




目もくらむような幸福感。




のどの奥の熱さに




社長の体温に




溶けてしまいそう。




ギュ




社長の背中を抱きしめる。




「ずっと




一緒にいたいです」





さとみが社長に告げた。




二人の身体はぴたりとくっついたまま





社長がおでこだけ




こつん。




さとみのひたいに合わせる




見上げたさとみ。




「ありがとう」




幸せそうにほほえんだ社長。




さとみを抱きしめたまま




社長が優しくキスをした。





何かに心がくるまれているような




守られているようなあたたかさに




この夜を




社長の言葉を




社長の優しいまなざしを





わたしは一生忘れないと思ったの。