社長に抱き寄せられたまま 震えて 涙をこぼすさとみ そのうつむいた首筋が濡れた。 雨? え? ゆっくり振り向いたさとみが 見上げる先に 雫が落ちる。 うつむきかげんの社長の瞳から 氷の王子様の瞳から ポタン 雫が落ちた。 「俺はいびつだから」 社長がそうつぶやいた。