初めて




ひとを愛して




初めて




欲しいって




わがままに




私だけを愛してほしいって




願ったけれど








「社長は   



私なんか



いらないって」




せき止められない涙を手で押さえて




さとみがつっかえながら




言葉にした。



「だから、わたしは



ここで



社長のことは



もう忘れて



もう、忘れて…




ここで生きていくって



決めたのに…」





社長と過ごしたあのリビングルームも




褪せない思い出も




社長の笑顔も声も




何もかも




忘れたくて