カウンターに座っていた




リハビリ施設の看護長の吉田さんが




さとみに話しかけてきた。




「さとみちゃん。




この前、うちの白土くんと出かけてたでしょ」




「デート?いひひ」




何言って。




ただ、買い物が一緒になっただけで。




「そんなんじゃないですよー」




笑って、流すさとみに




吉田看護長は、大きな声で続ける。





「何で、付き合っちゃえばいいじゃない。




お似合いだと思うけどねー。」




「白土とさとみちゃん。ねぇ?」




横の施設員の林くんにも話を振る。




吉田さんー。声が大きいよ。




社長に…。




「白土はめちゃくちゃ惚れてるよ。




ことあるごとに、さとみちゃんの話ばっかり。




智が苦笑いするくらいだもん。




真剣に考えてあげてよー。さとみちゃん」




と林くんまで一緒になってー。




「そうだよ。白土はいいやつだよー




ほんと、おすすめ!」




あ。




社長が出て行く。




違うって




違うんですって




言いたくなる自分に




ブレーキをかけるさとみ。




何考えてるの。




これでちょうどいいんじゃない。




勘違いされてちょうどいいんじゃない。