おじいさんは一体? 問いかけるように、首をかしげるさとみ。 おじいさんが、静かに笑って さとみの手をそっと握った。 「あんたの方がよっぽど、 しんどそうな顔しておるのに」 しわの刻まれたおじいさんの温かい手。 「あんたも優しい、いい子じゃ」 そんなこと言わないで。 おじいさん。 あれだけ泣いたのに。 まだ、涙は枯れないみたいだから。 「どうか、 あの子を幸せにしてやってくれ」 そう言って目尻をさげたおじいさん。 頬の黒いあざがカタチを変えてハートみたい。