「大丈夫ですか?」
さとみが声をかけた。
会社の近くの公園。
目が痛いほどの快晴の今日。
日向は暖かくて、多くの人が行きかう。
いたたまれないさとみは、
とりあえず、当日有給を会社にだしてきたところ。
退職願い書かないといけないな…。
それとも、解雇になるのかな。
「はあ」
どうするのが一番いいんだろう。
頭がおいつかない。
そう落胆して腰かけたベンチ。
隣に座っている体格のいいおじいさん。
顔色が悪い。しんどそうな表情。
さとみは思わず声をかけていた。
「いやいや。ありがとう。
何でもないんじゃよ。
ちっと、疲れがでたようじゃ」
そう言って、優しそうな笑顔を向けた、
おじいさん。
その視線がさとみの顔を見て、
いぶかしげな表情になる。
そのまま、そのおじいさんは、
なぜか、さとみをじっと見つめたまま。
え。何。そんなに、目おかしい?
「ああ、あんた確か社長の」
やっと、思い出したと、
スッキリした表情になるおじいさん。
えー、こんな年配のひとまで見ているの?
SNSこわ。



