葛西は、さとみに背中を向ける。 そのまま立ち去る葛西の背中。 「私ができること」 しゃがみこんで、うつむいたままのさとみが 声をふるわせて、かぼそい声を出した。 葛西の背中がとまる。 「私にしかできないことは」 涙のつまったさとみのこえ。 「社長を、愛しています。 ずっと、ずっと。そばにいる」