「家族だもん」




つぶやくようにさとみが言う。




「あいつらはお前のことを




家族だなんて思ってないんだよ」




怒りにかられたような、社長の言葉に




胸が痛む。




「家族だもん!」




叫ぶような、さとみのこえ。






「まるで呪いだな。」




ばかにしたように、




社長が続ける。




「家族だから。




家族のために。




都合のいい言葉で縛りつけられて、




そこには、はなから




お前の信じてる




愛情なんてないんじゃないのか」





鋭く痛む胸。




ひどい。




ひどいよ。




社長は私を傷つけたいの?