「いったいどうなっているの。さとみ!」




「うん」




「『うん』じゃないでしょ。




あんたはいつも




そうやって、黙ったらいいと思って」




だんだん、お母さんの声が大きくなる。




肩より少し短めの黒髪。




痩せていて、年齢よりは若くみえる。




私のお母さん。




その横に、智くんがいる。




智くんも来たんだね。





智くんは、短髪で、




よく日に焼けている。




下がり眉で、唇が薄めで。




少し線が細い印象を受けるけど、




ずっと野球していたから、




実は筋肉質でがっしりしてるんだ。




智くんはうつむいちゃっている。