はあ。 走ってきたような 2人の荒い吐息がもれる。 まだ、頬は社長の手の中で 社長の冷たい目が、 さとみの目を見据えて 「そんな大嫌いなやつに 頼らなきゃいけないって、 悲惨だな」 社長がキスしたばかりの、 その口で言い放った。 社長のキスは、 いつも、いつも 最後は 痛い。