嘘つきシンデレラ





「でも、300万なんて。




社長にどうやって、みとめてもらえるのか。




返せないかもしれない。




そう思って」




「まだ、期限まで三分の二近くあるのに、




あきらめることばかり考えて。





あげく、コソコソ隠れてホステスか」





「平気な顔して…」




社長の声が途切れる。




涙で潤んだ瞳で、さとみが社長を見た。




「ごめんなさい」




震える自分を押さえるように、




押し殺した声でさとみがつぶやいた。









「お前マジでむかつくな」




顔をあげた社長が言った。




さとみのその表情は、




許しを請うのではなく




まるで俺をいたわるかのようで




「うぬぼれてんじゃねえよ。


 

お前に俺を傷つけるチカラなんかないんだよ。


 

最初っから言ってるだろう。




ただの、暇つぶしなんだよ」




吐き捨てるような社長の言葉。





社長はやっぱりすごくて、




私を一番傷つけるカードを切ってくる。