ソファに腰かけ、肘をついた姿勢で さとみをみつめていた葛西の脳裏に、 酌をするさとみの姿が浮かんだ。 胸くそが悪い。 「あさはかな女だな」 葛西が言い放った。 さとみが葛西を見上げる 「ばれなければ、平気で裏切る」 「俺からこれ以上取れないとふんで。 金持ちのカモ探しか」 「そんなんじゃ」 報告書をもつさとみの手が震える。