マキちゃんが言った。



「そういえば 社長 本命ができたみたいね」




昼休みの食堂。




弁当を広げてランチ。




さとみの箸の手がとまる。




「え?」




「いやだ。さとみちゃん。



ほんと、こういうの、



うといよね。」




「ツイッターフォローしてないの?



みんなしてるよー」




「社長のパパラッチみたいなファンが




やっているツイッターがあるのよ。




よく訴えられないよね」




笑いながら、マキちゃんが言う。




携帯を操作して、さとみの前に差し出した。




「これこれ」




社長と綺麗な女の人。




背が高くて、大人っぽくて




色気のある人。




二人ともなんてお似合いで、これどこ?




パーティに出席?




ブランドのオープニングレセプションって




書いてあった。




女の人はゴールドのきらめくドレス。




上品にまかれた髪の毛に縁どられた顔に、




笑顔を浮かべている。




自信に満ち溢れていて、とても素敵。




社長は、ダークブラウンの光沢のあるスーツ。




スッキリしたシルエットでモデルみたい。




彼女をエスコートしている。





「この人。迫田化学のご令嬢だって。




会社同士のバランス考えても、




社長の結婚相手は、この人で決まりだろうって、噂」




「さすが社長だよねー」




「さとみちゃん?どうかした?」




言葉を失っていたさとみに、マキが聞く。




「ううん。ほんとだね」




さとみは、笑みをうかべて




画面の中の社長を見つめるしかできなくて。