「………」

「先輩?」

なんだかボーッとしてる?

先輩のいろんな表情が見れて嬉しい。
それはもちろんだけど、一番見たいのはずっと、先輩の笑顔。
これも私の我儘。

「…はぁ…あんた、ほんと俺を困らせるの得意な」

「えっ…! また何か困らせてました!?」

どうしよう!
常に迷惑をかけているから逆にわからない!


「ばーか」


……きゅん。

はい、出ました! 先輩の『ばーか』攻撃!
打たれたみたいに胸が苦しい……


「…別に無理して元気でいる必要ない」

「え……」

「本当はなんかあったんだろ? 吐け」

「…っ…! どう、して…?」

どうして、わかったの……?ーー

じわじわと温かくなる心臓は、間違いなく目の前にいるこの人に反応している。

「…毎日そのアホ面見てたら嫌でもわかる」

ずるい。
ずるいよ先輩。

先輩のその一言が、私にとってどんなに嬉しいか。
幸せになってしまうのか。
先輩にわかりますか…?

我慢できず目に涙が溜まって視界がボヤけていく。

「話聞いてるから言え。 そんな無理して笑われるとこっちが気持ちわりーんだよ」

…う、うぅ〜〜……
先輩の目も言葉も、やっぱり全部優しいから、なぜか泣きたくなってしまう。
もう甘えてるんだけど、どんどん甘えたくなってしまう。