「あ、そうだ! 2人に俺のLINE教えとくね」
そう言って流川先輩は自分のスマホを取り出すと、私たちにLINEのアカウントを教えてくれる。
「ありがとうございます!」
「ありがとうございます…」
流川先輩のアイコンわんちゃんなんだ…!
かわいい〜〜…!
美羽もチワワ飼ってるし、こんなところに共通点がっ!
へへ…話も盛り上がりそうだなあ。
「じゃあ、俺も戻るね」
「はい! 黒崎先輩にもよろしくお伝えください」
「了解」
流川先輩はそのまま「またね~」と言って戻っていった。
どうしても、黒崎先輩への好きの気持ちが溢れ出てしまう。
先輩がお弁当を食べてくれたことだけでも奇跡みたいにすごいことで。
お弁当から落っこちた玉子焼きまで、まさか拾って食べてくれるなんて……
先輩は手作り自体が嫌で、潔癖なはずなのに…我慢して食べてくれた。
"……うん、うまい"
思い出すとまた胸がキュッと締め付けられて涙が出そうになる。
少ししょっぱい味の玉子焼きは、黒崎先輩によってとても甘い玉子焼きになってしまった。ーー