目の前には黒崎先輩。

そして私が作ったお弁当。

そしてそれをもぐもぐ食べる黒崎先輩。


「………」

あああ、嬉しいです…!

どうしよう、嬉しいです…っ!

先輩が、私の作ったお弁当を…、食べてくれている……!


私は自分用に作ったお弁当に目もくれず、先輩と先輩のために作ったお弁当に夢中。

すると、バチッと目があって…

「おい、視線がうるさい。 早く食え」

と言われ、睨まれた。
睨まれたってかっこよくて、やっぱり心臓がドキッとしてギュンっと締め付けられてしまう。

「くはっ…! 無理です! お腹いっぱいです!」

「なわけねーだろっ 午後腹なっても知らねーぞ」

「や…優しいっ!」

ダメだ、やっぱり頭パッパラパーになってる……
もう先輩がかっこよすぎてキャパオーバーかもしれない。

「あははは!
ほんと花咲さんて純のこと大好きだよね」

「はいっ…! 黒崎先輩にどこまでもついていきます!」

「…地獄までついてきそうだな」

先輩は私が作ったお弁当を食べながらボソッと呟く。

「何言ってんですか! 先輩は天国ですよ! むしろ神ですっ!」

「意味わかんねーから」

「先輩が地獄なんてありえません! そんなの私が許しませんから…!」

私は力が入って手の拳を思いっきり握りしめていた。