「お弁当、誰かに渡すの?
もしかして小枝ちゃん…つ、ついに彼氏が…!?」

「か、彼氏じゃないよ! 好きな人!」

「えっ、好きな人できたの!? おめでとうっ!」

まるで自分のことのように喜び私の手を握る美砂。

あぁ、なんて可愛いのだろう……
町野家姉妹はやっぱり天使だなこりゃ……

たまらん…!


けど…、先輩食べてくれるかな…?

昨日も無理矢理作ってくることを承諾してくれた感じだったし、手作りのものは食べないっぽかったし……

「食べてくれるといいなあ……」

「食べなかったら平手打ちする」

美羽は笑顔で恐ろしいことを口にした。

「お姉ちゃん、言葉と顔があってないよ?」

「当たり前だよ。 こんなに小枝頑張ったのに、食べなかったらほんとありえない」

「小枝ちゃんの作ったお弁当、断る人なんていないよ! 大丈夫だよ」

美砂~~…! なんて優しい子なの〜…?

黒崎先輩はその断る人なんだけど、美砂にそう言ってもらえると勇気が出る。

「姉ちゃん料理うまいんだから自信持っていいんじゃない?」

雄大~~…! おとうとよ〜…!

なんて素敵なエールをくれるんだ中二の少年少女…!
君たちは本当に中二なの!?
中二病とかないの?

中学生に元気をもらってる高校生って、なに…?

「…うん…っ! 頑張る! いつもありがとう…!」

中学生二人に励まされるなんて、私のほうが年下みたいだ。

でも、心がポッてあったかくなる。
こういう風に、家族や町野家に支えられて、私は頑張れているんだ。

ありがたいなあ~…