ドックン…！
その瞬間、心臓が大きな音を立てて、バクバクとうるさく響き出した。
なに、これ……
苦しい。
心臓が苦しい。
どうしよう……
私、この人のこと何も知らないのに……
どんどん激しくなっていく心臓の音に耐えられず、私はその場でしゃがみこんだ。
苦しいけど、苦しいのに、嫌じゃない。
こんな気持ちは初めてで、どうしていいかわからない。
笑顔を見ただけ。
それだけなのに、私は恋をしてしまった。
名前も年齢も住んでる場所も、何も知らない男の人のことを、一瞬で好きになってしまったんだ……
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