・・・ドクンッ



心臓が一瞬、止まったのかと思った。


何かで頭を殴られたような衝撃が、心に走った。



声が、出ない。


言いかけていた言葉すらも、一瞬でどこかへと消え去ってしまった。


完全にフリーズした俺に追い打ちをかけるかのように、男は言った。


逸らすことなく、俺の目を凝視したまま。







「愛されてこなかったお前に、誰かを愛するなんて不可能だ」